2013.7.15
物の長さを測る道具。
大工のみが使う道具ではないが
大工仕事における使用頻度は非常に高い。
【道具のコラム】
わたしのコンベックスには尺の目盛りとメートルの目盛りの両方がついています。
かつて木造建築には尺貫法が使われ、
年配の大工さんは尺貫法で寸法をとるからです。
大工さん:「そこいくつだ?」
私:「2尺5寸です!」
大工さん:「あとどれくらいだ?」
私:「あと5厘です!」
現場ではこんな掛け合いが繰り広げられています。
ちなみに
1尺 = 10寸 = 約303mm
1寸 = 10分 = 約30mm
1分 = 10厘 = 約3mm
5厘 = 約1.5mm
先ほど、「かつて木造建築には尺貫法が使われ」と記しましたが
一番分かり易い例が柱と柱の間隔。
柱と柱の間隔は、一般的な木造住宅では910mmです。
1mに近いですが、何か中途半端!
これは、約910mm = 3尺で、
尺貫法をメートル法に換算したから中途半端なのです。
そして、現場でよく耳にする「イーニッサン」。
これは断面が 30mm × 40mmの木材のこと。
大工さんに「なんでイーニッサンなんですか?」と尋ねたところ、
この木材、かつては1寸2分 × 1寸3分(メートル法で約36mm × 約39mm)
の断面だったからなんだそうです。
1(イー)寸2(二)分 × 1寸3(サン)分というわけです。
なかなか慣じみのない尺貫法。
しかし、実はみなさんの周りにたくさん使われている尺貫法なのでした。
鯰組 櫻井